相性の良い人は、ニオイでかぎ分けられる!?

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ヴェーデキント博士というスイスの動物学者が、異性のニオイに関する実験を行っています。その実験によると相性の良い人は、ニオイでかぎ分けられるようです。
遺伝学的に理由があって、思春期の女の子がお父さんのニオイを嫌がるのは、遺伝子が似ている近親者の交配を本能的に避けようとするからだそうです。
「毎日、お風呂に入っているのにな……」、お嬢さんはお父さんの加齢臭を嫌っているわけではないみたいですよ。
つまり、あなたの付き合っている人がいいニオイだったとしたら、それは相性がいいということなのです。

相性の良い人はいいニオイ?

恋愛遺伝子と呼ばれる「HLA(ヒト主要組織適合抗原)」遺伝子は、ヒトの体臭に影響を与えることで知られています。
より良い子孫を残すために、「HLAタイプ」という免疫情報が異なる相手のニオイをかぎ分けられるようです。
この能力は、男性より女性に発達しており、女性がパートナーを選ぶ際に発揮されます。子供を生み育てなければならない女性は、男性より本能が強いのかもしれませんね。
女性は、自分と異なる免疫情報を持つ男性に惹かれます。それが、いいニオイと感じられるとのことです。
先ほどの思春期の女の子がお父さんのニオイを嫌がるというのもそのあらわれなので、嫌なニオイのする男性を避けた方がいいようです。

Tシャツによるニオイの実験

スイスの動物学者ヴェーデキント博士は、人間のニオイと遺伝子の関連性を証明するためにある実験を行っています。
その実験とは、男性達に2日間ほど着てもらったTシャツに対して、そのニオイをかいだ女性達の反応を調べるという実験です。
ヴェーデキント博士は、男性のニオイのついたTシャツを箱の中に入れ、女性達にニオイをかいでもらい、好みのニオイを確認しました。
実験の結果では、ほとんどの女性が「好みのニオイ」と答えたTシャツは、自分の遺伝子タイプとかけ離れた遺伝子を持つ男性のものだったということです。
女性達が「好みではないニオイ」と答えたTシャツは、自分の遺伝子タイプに近い遺伝子を持つ男性のニオイだったようです。
ヴェーデキント博士はこの実験から、「女性はニオイから配偶者として好みの異性を選んでいる」と結論づけました。

ところで、興味深いのは、ヴェーデキント博士の実験には“例外”があり、一部の女性に「自分に似た遺伝子タイプを持つ男性に惹かれる女性」がいたそうです。
鼻の悪い女性とか単なる偶然ではなく、女性達には共通項があり、全員が「ピル(経口避妊薬)」を服用していたということです。
ピルを服用すると、脳は妊娠に必要なホルモンが分泌されたとカンチガイして、卵巣からのホルモンの分泌をおさえます。そのため排卵は起こらず、妊娠しなくなるのです。
ヴェーデキント博士によれば、一部の女性が自分に似た遺伝子タイプを持つ男性を選んだ理由は、女性の家族として親近感が感じられたのではないかということでした。
ちょっと考え方に注意が必要ですが、妊娠を望む女性は自分と似た遺伝子タイプを避けるために嫌なニオイをかぎ分けますが、妊娠の必要のない女性は家族に近い男性のニオイを好んだということになるようです。
似た遺伝子が問題となるのは子供を生む場合だけで、家族のニオイがすべて嫌なニオイというわけではありませんから、この理屈もわかります。

ニオイのかぎ分け方

ニオイで結婚に適した相手をかぎ分けるという、ヴェーデキント博士の説には驚かされました。たんに「嫌なニオイのする男性」というだけでは説明がつきません。
男性がつけているコロンやシェービングローションなどのニオイではなく、その体臭が「いいニオイ」と感じられるか「くさい……」と感じるかで、遺伝子的な相性の良さが判断されます。
しかし、簡単に男性のニオイをかぐと言っても、かなり接近しないとニオイをかぐことはできず……、気をつけないとヘンな人扱いされてしまいそうです。また、足のニオイなどのほかのニオイとかぎ分ける必要もあるでしょう。
体臭が強く出る場所ですが、皮脂腺が集中している「耳のうしろ」です。恋人の耳のうしろのニオイをかいで「いいニオイ」と感じられる場合は、遺伝子的に合っているということになるのでしょうか?

この方法は現在付き合っている男性と、結婚しようか迷ったときの判断のひとつとして使えるかもしれません。
ただし、ヴェーデキント博士の実験にあったように、女性の身体の状態によってはかぎ分けられない場合もあるようですから、ほかの条件と照らし合わせた上で試してみると良さそうです。
今まで、嫌なニオイのする男性は体臭に原因があると思っていましたが、遺伝子的なものもあることを考えれば、見方が違ってきそうです。
とくに女の子が、「お父さんはくさいから嫌い!」と言ったからといって、洗濯機でお父さんの着ているものを分けて洗うようにするのは間違いでしょう。ヴェーデキント博士の説で、お父さんへの理解が進んだかと思います。

交際クラブ・デートクラブで知り合う男女も突き詰めれば、雄と雌です。動物的な本能によって無意識に支配されているということは何ともしがたい男女の大事な要素です。私たちは文明の中でそれを忘れて動物的な部分を忘れがちですが、恋愛やその延長の関係において、やはり最終的にそれが決定的要因になるという一つの例として、このにおいの話は頭の隅に置いておくべきでしょう。

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