蘇る!あの頃の恋話

血眼になって

それは澄んだ空気の春の、とある日の出来事であった。
まだまだ学生の頃であった私は恋の『こ』の字を知っているかどうかも怪しい青ガキで、新学期が始まる時期という事でクラス替えがあることを知っていたこともあり朝からココロ躍らせていたのであった。
食い入るようにクラスメイトを見回し、かわいい子を必死で探した!
そうしたら案の定いたのである。そう!一緒に歩いていたら誰もが羨むようなかわいい子が!

それからというもの、当たり前のように毎日が楽しくなった。私は学年執行委員長をやっていたこともあり打ち合わせの関係で自然と関わることが多かったこともあって、それが日々過ごす時間を加速させているような気さえしたのだ。光陰矢の如しとはまさにこの事である。
こんなこともあり、日に日に彼女のことを好きになっていくことに気が付いてしまった。

そんな折、文化祭という年に数えるほどしかない大イベントが近づいてきた。この期間中にもっとお近づきになりたいと考えていた私は、静かになった教室で彼女に想いの丈をぶつけた。結果はお友達からとのことであった。煮え切らないところもあったもののNOという答えじゃないだけ納得していた。
その後しばらくはそんな関係が続いていたが、お互いに気になる人が出来たとの事で円満な跡切れになった。それから10年後、同窓会で一度会ったときは磨きがかかった魅力的な女性になっていて結婚する予定だとも言っていた。
幸せな人生を歩んでほしいと思う。

片思い

初恋と言って思い出すのは、中学2年の思春期の多感なあの頃でした。
私が通っていた中学では、毎年5月になると、近くの病院の医師が訪ねてきて学年全体で健康診断をする日がありました。中学2年の時も1年生の時と同じように各学年クラス別で出席番号順(男女混合)で行われていました。

新しいクラスにも慣れ始めたところで、待ち時間は近い番号の友達と部活や趣味の話で盛り上がっていました。視力検査・座高は保健室から離れた体育館で測定をしていたため、友達と一緒に話しながら移動していました。その時、A子ちゃんの恋バナをしていたのですが、突然、『yってK君のこと好きだよね?』と言われ、吃驚してしまいました。

K君は優しく運動神経抜群で、運動部に所属していたので友達が多くいました。
挨拶されれば返す、グループ内で話していれば軽く言葉を交わす程度でそこまで接点は少ないです。最初は否定していたものの、一人だけでなく複数の友人から言われ、気にしないはずもありません。その時だけで終ると思いきや、掃除や移動教室で通るたび肘で小突かれるので、ただのクラスメイトから次第に気になり始め、目で追うようになりました。

そういったときに限って、急に接点が増えたりするもので、なんだか上手く話せませんでした。そんなある日の事、部活終わり一人で帰っていると後ろから声を掛けられ、振り向くとK君が自転車を引きながら私の方に向かって歩いてきました。そして、私の横に並ぶと「途中まで一緒に帰らない?」と言われました。特に断る理由もないので、部活の話からはいり、友達の話などで盛り上がり、分かれ道まで楽しい時間を過ごしました。

いつも大勢の友達の中でいる時の彼とは違った一面をみれた感じがして、キュンとしちゃいました。その後も何回か帰ったり、授業とかで同じグループになったりすることは多いけど特にこれと言って進展はありませんでした。私からもアクションを起こす事はなく、意識はしているものの友達以上の関係になりたいと思うまでには至らず、卒業するまで告白することはありませんでした。

あれから何年か経ち、地元に戻った際に仲の良い中学の友人と会うのですが、当時の話をすると、あの時の甘酸っぱい思い出が蘇ります。

駅前の歌声

私が田舎から仕事で上京して間もない頃。新宿駅を降りた時、道端から透き通った綺麗な声が聞こえてきた。
触れると崩れてしまう氷細工のような感じの声を持つ、きれいな女性だった。
訊けば同い年で武道館ライブを目指していると言う。何度か私は足を運び、時には宣伝活動も手伝った。

いつも笑顔を崩さずニコニコしているのがとても魅力的だった。「いつかは彼女を支える人間になりたい」しだいに湧いてきた恋心のような感情は、その当時は何よりも頑張る励みになった。

しかし、彼女の目標であった武道館ライブを終えた後、その姿を街中で見なくなった。
ネットや伝聞でもその後の活動は耳に入ってこなくなり、長い年月が経ってしまった。
今でも、路上で頑張る自称ミュージシャンたちを見かけると、あの時のことを思い出す。あの歌声の主は、今どこで何をしているんだろうか……。

この記事を書いた人 サチコ

執筆者: サチコ

交際クラブサーチ編集部のサチコです。昼間はOLで働き、空いた時間にはパパ活をしています。色んなクラブに登録した経験を活かして、パパ活や交際クラブについて発信していきたいです!